Laboratory for Cellular Systems Biology

システム細胞生物学研究室へようこそ

　細胞外からのシグナルに応答して，細胞は自律的に動くことができます。例えば，血液中の細胞の１つである好中球細胞は，細菌から放出される物質を感知して，細菌の方へと自律的に動き，細菌を捕食し，感染を防いでいます。このとき，細胞は環境からのシグナルを検知して，動くために細胞の骨組みであるアクチン細胞骨格を細胞内の適切な場所で，適切なタイミングで収縮させることで，細胞の形を変えて，動く力を生み出します。しかし，細胞はどのようにして，アクチン細胞骨格を収縮させる時間と場所を決めているのでしょうか。私たちは，アクチン細胞骨格の収縮のタイミングと場所を決める仕組みを明らかにし，細胞が自律的に移動を制御するメカニズムを明らかにしたいと考えています。また，細胞移動以外にもアクチン細胞骨格の収縮のタイミングによって制御されている細胞機能は数多くあり，その１つである血管と組織間の物質透過，血管透過性の制御機構についても解析を進めています。